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「大丈夫よ。ね、こっち来ない?美味しいお茶があるの。落ち着くわよ」
「あ、の…」
腕を引かれて、慌てて抵抗した。
「ああ、ごめんなさいね。アタシ、アリノア。心配しなくて良いわよ、食べたりしないから」
アリノアが、そっとサアヤの頭を撫でる。
その暖かさに、また涙が溢れる。
「あら、安心したのかしら?」
「…けて…」
「え?」
サアヤの声に、アリノアが首を傾げる。
「たすけて」
「助けて?」
「助けて!」
叫ぶサアヤに、甲板にいた全員が息を飲む。
「リンダを助けて…」
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