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「落ち着きましたか?」
「すみません…」
船内の一室。差し出された茶を飲み干したサアヤは、相手を見た。
「えっと…」
「カイルです。うちの船長と船医がお世話になりましたね」
「あの…フェイトさん、とアリノアさんは…?」
一旦落ち着けば、やはり見知った顔がある方が良い。
船室からは、暮れていく海しか見えない。
「すぐに戻ります。…まずはお名前を聞かせてもらえますか?」
「…サアヤです」
「リンダというのは?」
「友達です…置いてきちゃった…」
俯き、手を握りしめたサアヤに、カイルは微笑む。
「大丈夫ですよ。自分を責めるものではありません。……二人で、どこかへ行ってきたんですね?」
「時計台に、行ったんです…」
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