4、森の中へ

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夜明けの一番鳥が鳴いて、サアヤは目を覚ました。 部屋の外は既に騒がしく、あちこちから喧騒が聞こえてくる。 「サアヤちゃん、起きてる?」 「あ、はい!」 ノックとともに聞こえてきたアリノアの声には、昨日あれだけ騒いでいたのに疲れの色は一切無い。 サアヤは軽く身なりを整えると、アリノアが入ってくるのを待った。 「おはよう、サアヤちゃん。朝ごはん持って来たわよ」 「おはようございます、アリノアさん。ありがとう」 持ってきてくれた朝食は、昨日初めて食べた薄茶色のスープと焼かれた魚、真っ白な穀物。 「おいしそう…、いただきます」 「どうぞ、召し上がれ」 見た事の無い食材に、食べた事の無い味。なのに不思議と懐かしい。 「ねぇ、アリノアさん。みんなもう起きてるの?」 「ええ。朝ごはんが終わったら、上陸するわよ」 「え?」 窓の外を見れば、そこは昨日見えていた海ではなく鬱蒼とした森。 いつの間に船を動かしたのか、サアヤにはさっぱり覚えが無い。
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