33人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふむ。ようやく落ち着いて話が出来るな。サアヤ、紹介しよう。これが私の最高傑作、アルクンデス4号だ!」
「え?」
てっきり自己紹介されるものだと思っていたサアヤは、まるで予想外の言葉に目を丸くした。
「このアルクンデス4号はまずアームの部分が素晴らしい出来なのだよ人間の筋肉のつき方を参考に細かい動きを可能にするべくまずこの部分を3つの部品に分けてそれぞれの稼動を別々に動くよう設定して人間で言う肘の部分で一旦一つにまとめさらにその先をまた3」
「アンタの玩具説明なんかどうでもいいから、ちゃんと自己紹介なさい!」
嬉々として語られ始めた人形の説明を、アリノアが遮った。
ここにアリノアさんが居て良かった。
サアヤが心底そう思っている目の前で、人形自慢を邪魔された張本人は不服そうに声を上げる。
「何を言う。至高の探究者であり科学者である私の名を知らぬ者など」
「この世には何十万といるわよ。いいから自己紹介なさいって」
「むむー...致し方あるまい。ここは小さな島だ。第3海域最後の島。私の名が伝わるのも難しかろう。よし、サアヤ!改めて自己紹介しよう」
そう言って猫背を伸ばし、朗らかに笑う。
「私はソレイユ。至高の探究者であり、あらゆる物を創り出す科学者である」
最初のコメントを投稿しよう!