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「たんきゅうしゃ、って何ですか...?」
素朴な疑問。
さらに言えば、科学者というのも聞いた事がないのだが、何と無くこういう人形を創る人なのだろうと推測した。
「探究者と言うのは」
「ただの変人って意味よ。サアヤちゃん、ウツるから近寄っちゃダメよ」
「え、たんきゅうしゃって移るんですか!?」
「移る訳なかろう!いいか、探究者と言うのはだっ!?」
不自然にソレイユの言葉が途切れ、ソレイユ自体も消えた。
あれ、と首を傾げたサアヤの視界に黒い影が現れる。
「カダール君」
「...アリノア、街がうるさい」
「嫌だ、やっぱり気付かれたわね。船長に知らせて」
「わかった」
「あ、カダール君...」
あっという間に居なくなったカダールに、サアヤは不安げな視線をアリノアに向けた。
それを受けて、アリノアは優しい顔で頷く。
「ちょっと出発が慌ただしくなるだけよ。大丈夫。船長もすぐ来るし、カダールも来るわ」
その言葉の通り、数分も待たずにカダールを連れたフェイトがサアヤの元へ駆け寄ってきた。
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