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「サアヤ。この島にいる警備隊は三番隊だけか?」
「え?」
「シャークの隊だけかどうか聞いてる」
詰め寄る勢いで尋ねられ、身体を後ろに仰け反らしながら答える。
「ま、街にいる海上警護隊は三番隊だけですけど、警備隊は別にあってリンダの父さんが...」
「リンダの父親が仕切ってんのか」
「入港管理所の所長なんです。この島の代表みたいな人で...」
「ちっ...昨日もっとリンダについて聞いてりゃ良かったな」
そう呟いたかと思えば、いきなり踵を返してフェイトが船に戻っていく。
代わりにカダールがサアヤへと近付いた。
「大丈夫...?」
「え?」
「...ソレイユ、相手するの大変...」
ソレイユが現れた直後にカダールが居なくなったため、どうなったのか気にしてくれたらしい。
大丈夫、と笑ってサアヤはカダールに笑いかける。
「ちょっとビックリしたけど、アリノアさんがすぐ来てくれたから」
「...そう」
「...街、そんなに騒がしかった?」
父親の顔を思い出し、カダールに尋ねた。
本当は父親の事を聞きたかったが、顔も知らないのに様子が分かるはずがない。
「...サアヤ、のお父さん。いた」
「え...?」
「サアヤの名前、いっぱい...呼んでる人、がいた」
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