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「任せろ、嬢ちゃん!絶対友達助けてやらぁな!」
「最初にお前さん泣かせたなァ俺だからなァ。もう泣かせたりしねェぞ!」
「早く友達助けて、父ちゃんとこ帰してやッからな!」
あちこちから声がかかり、サアヤは目を瞬かせた。
「やぁねぇ、船長が全部良いトコもってくんだもの」
「アリノアさん...」
「アタシも、サアヤちゃんとリンダちゃん、絶対帰してあげるわ」
ぽん、とアリノアに頭を撫でられる。
「...サアヤ、笑って?」
「カダール君」
「サアヤ笑うと、みんな喜ぶ」
カダールが涙の跡を拭ってくれる。
「お前は、怖がってた海賊に友達を助けてと叫べる奴だ。その根性がありゃ、リンダだって助けられる」
「フェイトさん...」
「な!」
最後、フェイトに思い切り背中を叩かれる。
サアヤは目を閉じ、深呼吸した。
「ありがとう!よろしくお願いします!!」
誰より大きな声で、そう叫んだ。
「...素晴らしい感動シーンの所、非常に申し訳ないのだが」
と、突然雰囲気を壊す声が聞こえてきた。
足元から。
「え?」
「なんだ、ソレイユ。お前そんなトコに居たのか」
フェイトが見つめている先も、やはり足元で。
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