4、森の中へ

15/16
33人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
「任せろ、嬢ちゃん!絶対友達助けてやらぁな!」 「最初にお前さん泣かせたなァ俺だからなァ。もう泣かせたりしねェぞ!」 「早く友達助けて、父ちゃんとこ帰してやッからな!」 あちこちから声がかかり、サアヤは目を瞬かせた。 「やぁねぇ、船長が全部良いトコもってくんだもの」 「アリノアさん...」 「アタシも、サアヤちゃんとリンダちゃん、絶対帰してあげるわ」 ぽん、とアリノアに頭を撫でられる。 「...サアヤ、笑って?」 「カダール君」 「サアヤ笑うと、みんな喜ぶ」 カダールが涙の跡を拭ってくれる。 「お前は、怖がってた海賊に友達を助けてと叫べる奴だ。その根性がありゃ、リンダだって助けられる」 「フェイトさん...」 「な!」 最後、フェイトに思い切り背中を叩かれる。 サアヤは目を閉じ、深呼吸した。 「ありがとう!よろしくお願いします!!」 誰より大きな声で、そう叫んだ。 「...素晴らしい感動シーンの所、非常に申し訳ないのだが」 と、突然雰囲気を壊す声が聞こえてきた。 足元から。 「え?」 「なんだ、ソレイユ。お前そんなトコに居たのか」 フェイトが見つめている先も、やはり足元で。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!