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「ソレイユ、さん?」
何故足元から声がするのか。
嫌な予感がして、恐る恐る足元を見る。
「...いい加減、退けてはくれまいか。サアヤ」
「あぁあ、ソレイユさん!?ご、ごめんなさい!」
いつからそうなっていたのか分からないが、地面に倒れ伏したソレイユの上にサアヤが乗っていた。
慌てて降り、立ち上がるソレイユに手を貸す。
「放っておけ、サアヤ。可愛いお嬢さんに踏まれてソレイユも幸せだろうよ」
立ち上がろうとしていたソレイユを突き飛ばして、フェイトがサアヤを引き寄せる。
「お前らー!準備は良いな、出発すんぞ!カイル、船は任せた!」
「任されました。無茶しないでくださいよ。頼みますから」
「大丈夫よー、船長はちゃんと見張っておくから。カダールが」
「...サアヤ、いこ」
「あ、うん。でもソレイユさんが」
「構いませんよ。どうせ彼は別働隊ですから」
「何!どういう事だ!私が別働隊だなどと、聞いていないぞ!」
騒ぐソレイユを置いて、一行は歩き始める。
目の前には鬱蒼とした森。
化け物がいた時計台に戻るのは怖いが、リンダを助けたい。
「出発だ!!」
フェイトの声に覚悟を決めて、サアヤは一歩、足を踏み出した。
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