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「誰にやられたのか
言ってみな?
私がちゃんと話
してあげるよ。
千帆泣かす奴なんか
私がぶっ飛ばしてやるよ」
私がそう言うと
やっと千帆は口を開いた
「誰かはわからないけど
今日ダンス部の見学に
来てた子達です」
「なんでやられたのか
心当たりはある?」
「......」
千帆はそれっきり
黙ったままだった
私は「言いたくないなら
言わなくていいよ。
とりあえず着替えなきゃ
風邪引くし」
と言って
千帆を保健室まで
連れて行って
私のスウェットと
Tシャツを渡して
着替えさせた
千帆はずっと黙ったままで
カーテンの向こう側で
夕陽に照らされた
影だけがただゆれていた
私はじっとその影を
見つめたまま知らぬ間に
眠りにおちていた
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