14歳

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中学2年になった僕は、いじめられることはなくなったものの、友達と呼べるような人間はほとんどいなかった。 クラスの中では『無口で付き合いの悪いヤツ』程度の評価をされているだけだった。 友達なんかいらない。 「どうして友達を作ろうとしないの?」 中3のかおりは、そんな僕を見かねて、心配そうによく僕にそう言った。 「友達なんて、いらないよ。」 幼稚園の時に、そう心に決めたのだから。 友達がいなくても、僕にはかおりがいる。 かおりさえいてくれれば、僕はそれで充分だった。 「早いとこ、彼女でもつくりなよ。」 かおりは冗談めかして、そんなことを言うようになった。 僕は、自分が彼女を作るなんて、考えたこともなかった。 こんな人付き合いの悪い自分のことを好きになってくれる変わり者の女子がいるとも思えなかった。 ところが、世の中には変わり者がいた。 「…わたしと付き合ってください。」 ある日、僕は突然、中3の先輩にそんなことを言われた。 僕はびっくりした。 そして、大いに困った。
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