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原初の目的は――そう。
『せかいをまもるため』だとか、そんなものだった筈だ。
馬鹿馬鹿しいような、子供の戯れ言のような、そんな言葉だけれど、“その時”は本当に彼らの支柱になっていたんだ。
けれど。しかし。それなのに。だが。
いつしか、脅威となるものが消え去り、“その時”から幾百もの年月が過ぎて、『せかいをまもるため』だった事が、物が。
『じぶんをまもるため』に、『らくにいきるため』に。時代と共に移ろいだ。
脅威が消え去ると共に、“その時”の感情は消え去って、
せかいは、いちどおわりをむかえる。
それが、後に『世界の終焉―ワールドエンド―』とよばれた、世界の崩壊である。
ワールドエンドの切っ掛けは、行き過ぎた力の爆発だと云われてはいるが、研究が滞り、定かではない。
そこで、文書は最後のページを迎えた。
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