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ゆっくりと目を覚ます一人の少女。
その少女はゆっくりと身を起こし、周りを見渡す。いつの間にか完全に意識は戻り自分の置かれてる状況を把握しようと頭を使う。
少女の名前は……神流。先程まで友達と合コンに行って、その岐路であったはず。だけどその内容は途切れ、途切れにしか思い出せないでいる。でもちゃんと自分のことは判っている!
「ど……して?てか……ここはどこ!?」
冷静に考えてはいたが、全く意味が分からなくて今にも泣き出しそうな顔になる。
「あっ!気付かれましたか!?」
いきなり襖が開き、一人の青年が部屋に入って来た。
「もーびっくりしましたよー!甘味処に行った帰りに貴方が倒れているのを見つけましてね。身体中が傷だらけで……このままだと危ないと思ってこちらの家に連れて来たんですよ」
そう言って私の隣に座った。
傷だらけ?……私は自分の身体を見てみる。……包帯が至るところにされている。意識すると少し痛かった。
キンッとした痛みが頭を貫く。そしてその瞬間に思い出す。
そうだ!私、事故したんだ!!
「ってことは私、運ばれたんですか!?」
「はい、私が運びましたよ」
ニコニコしながら答える男性。
「病院にですか?」
「【びょういん】?いえ、ここに」
「へ?救急車とか……」
遠くなっていく意識の中で救急車の音が響いた気がしたのに…
「【きゅうきゅうしゃ】?……すいませんが判るように説明してもらえませんか?」
「……へ?」
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