過去②

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「あっあの話は戻りますが、私、どこで倒れてたんですか?」 「えっと……確か、二条城の近くでしたかね……」 「二条城?」 そんな所、私が知っているこの町にはないよ? 「京に住んでる人が何を言ってるんですか!二条城と言えば江戸にいた私でも知ってますよ」 「……あっあの最初の所もう一度言ってもらえませんか?」 聞き間違いですよね? 「京の都に住んでいる人が――…」 「はい!?京の都って……京都!?ここ……京都なの!?」 「へ?」 私の反応に凄く困惑している様子ながらコクリと頷いてみた青年。 「そんなわけ……ない。私は京都なんかに行ったことさえない……」 私の反応をジッと見つめていた青年が口を開いた。 「まあまあ落ち着いてください」 そう言って私に向けた笑顔にドキッとしてしまった。この人……よく見ると凄くカッコイイ。 「もしかして、記憶がないんですかね?自分の名前は言えますか?あっ!先に名乗らないといけませんね。私の名前は沖田総司といいます」 沖田総司? ……いや……まさか。そんなことありえないって。只名前が一緒ってことだよね。 「私の名前は……神流」 「名前は憶えていますね。……良い名前ですね」 そう言って微笑む沖田さん。私は……こんなに綺麗に笑う男の人を見たのは初めて。
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