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「おは~ん!」
「朝からキモイ声出すなよ」
「相変わらず冷たい奴だな。部長さん」
俺と小学生のトキからずっと同じクラスの 小林 亮。腐れ縁ってやつ。
しかも同じクラブ。
「そういえば…今日はお前の両親って結婚記念日だよな」
「…何でお前が知ってんだよ!」
「何でって…総司さんが昨日言ってたからさ」
「昨日?」
「昨日病院に行ったんだよ。俺ってば今、痔でさ。」
俺はそのまま亮から離れる。
「おい!冗談だぜ!」
「…」
「そんな目で見るな!」
「で」
「だから…昨日病院で会って、嬉しそうにしながら話してるの聞いたんだよ」
【明日、私と妻の結婚記念日でしてね。毎年デートに出かけるんですが今年、妻は忘れているようで休み入れてないんですよ。それで…代わってもらえますよね?――――当たり前じゃないですか?え?嫌?忙しい?そこをなんとか。――――ですよね。もし断ったら明日から出勤できないようにしますよ?】
「――…って!笑顔一回も崩してなかったぜ。総司さんって俺達の世界では相当有名な人だしさ~さすがだなって思いながら盗み聞きしてた」
…お前、バカだろ。
「お前んとこの両親ってラブラブだよな」
「気持ち悪いぐらいな」
「えー!なに、お前両親嫌い?」
「…別に」
「お前なー!あんないい両親もってるくせにー!二人とも美男美女で、あれで四十代だろ?!見えねーし。しかも総司さんは学生の頃から負け無しの伝説的な人物なんだぞ!」
…それとかウザイだけだし。
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