―夢の続き―

6/11
前へ
/316ページ
次へ
「おは~ん!」 「朝からキモイ声出すなよ」 「相変わらず冷たい奴だな。部長さん」  俺と小学生のトキからずっと同じクラスの 小林 亮。腐れ縁ってやつ。   しかも同じクラブ。  「そういえば…今日はお前の両親って結婚記念日だよな」 「…何でお前が知ってんだよ!」 「何でって…総司さんが昨日言ってたからさ」 「昨日?」 「昨日病院に行ったんだよ。俺ってば今、痔でさ。」  俺はそのまま亮から離れる。  「おい!冗談だぜ!」 「…」 「そんな目で見るな!」 「で」 「だから…昨日病院で会って、嬉しそうにしながら話してるの聞いたんだよ」 【明日、私と妻の結婚記念日でしてね。毎年デートに出かけるんですが今年、妻は忘れているようで休み入れてないんですよ。それで…代わってもらえますよね?――――当たり前じゃないですか?え?嫌?忙しい?そこをなんとか。――――ですよね。もし断ったら明日から出勤できないようにしますよ?】 「――…って!笑顔一回も崩してなかったぜ。総司さんって俺達の世界では相当有名な人だしさ~さすがだなって思いながら盗み聞きしてた」  …お前、バカだろ。  「お前んとこの両親ってラブラブだよな」 「気持ち悪いぐらいな」 「えー!なに、お前両親嫌い?」 「…別に」 「お前なー!あんないい両親もってるくせにー!二人とも美男美女で、あれで四十代だろ?!見えねーし。しかも総司さんは学生の頃から負け無しの伝説的な人物なんだぞ!」  …それとかウザイだけだし。  .
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1551人が本棚に入れています
本棚に追加