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―――――…
頭が割れるような痛み。痛いってことは俺……助かったのか?
車に轢かれた瞬間に強い光に包まれた。俺はその時『あ、死んだ』って思ったんだけどな。
「いってぇ……」
俺は思ったことを口にした。
「……目が覚めましたか?」
いきなり父さんの声がしたから、救急車で父さんの病院に運ばれたんだと思った。
俺はゆっくり目を開けて父さんの姿を横目に見た。
……ん?
俺は見間違えたと思ってちゃんと父さんを見た。けど見間違いじゃなかった……何故、着物なんか着ているんだ?
「……誰だよ」
俺は何で着物なんか着てんだよ。って意味を込めてそう呟いたのだが、その言葉に敏感に反応した父さんは不思議がりもせずに名前を言った。
「あっすみません!怪しいですよね。私の名前は沖田総司。決して怪しい者じゃありませんから!」
……はぁ?
「あの起きてそうそう尋ねるのはおかしいかもしれませんが……貴方、神流という女性を知りませんか!?」
俺は更に頭が痛くなってきた。何、こいつ。
目の前にいる男は沖田総司?しかも、【神流】って……母さんの名前じゃん。
何故、父さん似の男が母さんを探してるわけ?
頭がパニクっていて何も言葉が出ない。
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