過去①
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「でもさ…人生は一回きりなんだからさ…家族のために自分の人生、棒にふるの…?」 いつになく真剣な環。 天然なバカな表情じゃない。だから私も真剣に返す。 「…弟のこと考えたら自分だけ好きなことなんて出来ないの」弟には自分のやりたいことをやってもらいたい。私みたいに夢を諦めさせたくなかった。 「弟を犠牲にしたくないの」 私がそう言うと環は分かってくれたらしくそれ以上何も言わなかった。
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