『夢』既視『現』

5/31
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ
――夕飯を食べ終え、風呂にも入った俺は今、自室のベッドで仰向けに寝転んでいた。 ちなみに風呂に入る前、澪奈と『一緒に入るか入らないか』で激しいバトルが展開され、見事俺の……敗北だった。別に兄妹なんだから一緒に風呂ぐらい……と思った時点で勝敗は決したのだ。見事、澪奈にそういう風に持っていかれた。 高校二年生十六歳にして。 高校二年生十六歳の双子の妹と、一緒に入浴。 笑いたけりゃ笑え。引きたけりゃ引け。こんなもん笑い話にもならねぇよ。 正直、澪奈の裸など見たり、もし、触れてしまっても何も感じないが、あまり直視しにくいのだ。かと言って、胸やら何やらに視線が行かない訳ではない(何言ってんだ俺…)。 澪奈も、中身はガキだが、やはり身体は年頃の女の子なのだ。出るとこ出て、括れるとこ括れている。だから、同い年の女の子はこういう身体をしているのか、などと考えてしまうのだ。一、健康男児として。一、日本男児として。 「はぁ……」 なんとなく、溜め息が出た。 とにかく、もう寝よう。
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!