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誰かの部屋。部屋には小さな本棚に、簡易な作りの勉強机。真っ白なベッドに、大きな古時計。床はフローリングで部屋の壁は真っ白。窓の外は、夜なのだろうか、空には星の様なものが見える。
そして、俺の目の前には。
「……どうしたの?」
見た事のない少女が居た。少女は、窓際にあるベッドに座り、こちらを伺うように首を傾げる。
年齢は…俺と同い年だろうか。彼女の、長く黒い髪が、開いた窓から吹き込むそよ風に靡く。
そして、彼女は俺に訊ねた質問の答えを聞くこともなく、言った。
しかし、その声はどこかノイズが雑ざったように、途切れ途切れで。
「私…■って■■■■■■■■■じゃないの■■■■■――」
そこで、視界の全てが真っ黒になって。
そこでようやく、夢から覚めた。
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