『夢』既視『現』

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       * 毎日毎日、ほとんど同じ日々を繰り返していく事に、苦痛すら覚えてくる。 俺は、そんな事を思いながら、下校中。 上履きから靴に履き替え、頭を上げる。すると、はるひが居た。まぁ、居たのは知っていたが。 なぜだか、俺は、はるひから寄り道を誘われた。 「帰りに付き合って欲しいお店があるんだけど、いいかな? 新しく出来たパン屋さんなんだけど」 だそうだ。 「友達と行けばいいだろ?」 と、俺が言うと、はるひは不思議そうに首を傾げて。 「瀲那くんは、私の幼馴染みであり、友達だよ?」 だそうだ。全く、面倒だ。 かと言って、どうせまた運命様々、出会すのだろうと思い、俺は渋々了解した。 学校の敷地から出て、二人肩を並べて歩くこと数十分。沈黙が嫌だったのか、はるひは口を開いた。 「なんか、こうやって歩いてると、ちょっと照れ臭いね。友達に、付き合ってるのかって訊かれたし」 はにかむはるひ。  ̄ ̄ ̄ ̄ 「何を今更。金曜もその前も、ほぼ毎日こうやって歩いてるじゃないか。そりゃ、恋人同士かと思われても仕方ねぇよ」 はるひは、まだ蒼い空を見上げ、言う。 「恋人かぁ……。いいよね、恋人って」 「そうなのか? ただ、面倒くさいイメージしかないが」 馬鹿三人衆を見て、そう思った。俺が女だった場合、こんな男たちは嫌だ、と。 そして、俺みたいな男も嫌だ、と。 なら、逆もまた然り。 「まあでも、私は男の子と付き合った事ないから、実際に、交際が良いとか悪いとか、わかんない」 「ハッ。まぁ悪い男に引っ掛かるなよ」 「あはっ♪ もしかして心配してくれてるの?」 「……一応幼馴染みだからな。お前が今好きな相手、良い奴だといいな」 すると、はるひは両手を握り、目を閉じて言う。 歩きながらよく閉じれるものだ。 「うん。凄く良い人だよ。私の事、心配してくれる……」 「ああ、もうその相手とは仲良いんだな?」 「うん。私はそのつもり。今週のお休みにね、その人の家に遊びに行く約束したの♪」 「お前一人で行くのか?」 「うん」 結構、その相手とは良好な関係なんだな。 しかし、家に行くとは、はるひも意外に積極的と言うか、大胆と言うか。 「襲われないよう、気を付けるこった」 「ふふ。襲われたら……どうしようかな」 そう言って、はるひは微笑んだ。
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