12人が本棚に入れています
本棚に追加
「さあ、何から説明しましょうか。とりあえず、私の正体から説明しましょうか」
そう言いながら、何故かベッドへ乗った夏月。
俺が被っていた毛布を剥いで。
夏月が着ていたシャツのボタンを外して。
そしてスカートに手を入れて、そのままスルスルと、真っ白な下着を脱ぎ捨てて。
何故か身体が動かない俺の、ズボンのベルトを外して。
チャックを開けて、下着を脱がされて。
俺の股に跨がって。
そして。そして。
「な、何を……」
「君が動けないのは知っているわ。全部、私に任せて頂戴。ねぇ、泡沫君? 君は……」
夏月の顔が、唇が迫ってくる。
「優しいのと、激しいの。どっちが好き?」
そしてそのまま、口付けされて。
そしてそのまま、腰を下して。
俺の口の中に、辛く苦しそうな夏月の声が響いた。
*
「――へぁッ!?」
奇声を上げながら目が覚めた。
目が覚めたということは、今までのは全てが夢ということ。つまりは夢オチ。
「ハァ…ハァ……。な、なんだ、夢か……」
「そう、夢よ。残念?」
「いや、夢で良かったよ。まぁ残念じゃないと言えば嘘になるが……」
「じゃあ、夢の続き……してみる?」
「マジか!?」
俺は馬鹿かもしれない。
「――って!?」
思わず俺は、飛び起きた。
目覚めた場所は、夢と同じ場所だった。俺は真っ白なベッドで寝ていて、すぐ隣には夏月が、寝ながらこちらを見ていた。
「おはよう、泡沫君。まぁ、おはようと言うには、少し早い時間だけれど」
「あ、ああ……おはよう」
部屋にある古時計を見ると、時刻は三時。
なんだこの状況。
いや、不味い要素は一切無い。
同級生の美少女転校生と、同じベッドの上だなんて、美味しいに決まっている。
やっぱり、俺は馬鹿だ。
「どうだった?」
「あ? 何がだ……よ」
夏月を直視出来ない。
先程まで見ていた夢が、あまりにもリアル過ぎて。
一、健康男児として。
一、日本男児として。
「私の中。気持ち良かった?」
「何言ってんだお前!?」
いや、突っ込むところを間違えた。
「あら、現実世界でも……突っ込まれちゃった」
「いやホント何言ってんだお前!?」
冗談はさておき。のような咳払いをした夏月。
最初のコメントを投稿しよう!