『夢』既視『現』

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「さあ、何から説明しましょうか。とりあえず、私の正体から説明しましょうか」 そう言いながら、何故かベッドへ乗った夏月。 俺が被っていた毛布を剥いで。 夏月が着ていたシャツのボタンを外して。 そしてスカートに手を入れて、そのままスルスルと、真っ白な下着を脱ぎ捨てて。 何故か身体が動かない俺の、ズボンのベルトを外して。 チャックを開けて、下着を脱がされて。 俺の股に跨がって。 そして。そして。 「な、何を……」 「君が動けないのは知っているわ。全部、私に任せて頂戴。ねぇ、泡沫君? 君は……」 夏月の顔が、唇が迫ってくる。 「優しいのと、激しいの。どっちが好き?」 そしてそのまま、口付けされて。 そしてそのまま、腰を下して。 俺の口の中に、辛く苦しそうな夏月の声が響いた。        * 「――へぁッ!?」 奇声を上げながら目が覚めた。 目が覚めたということは、今までのは全てが夢ということ。つまりは夢オチ。 「ハァ…ハァ……。な、なんだ、夢か……」 「そう、夢よ。残念?」 「いや、夢で良かったよ。まぁ残念じゃないと言えば嘘になるが……」 「じゃあ、夢の続き……してみる?」 「マジか!?」 俺は馬鹿かもしれない。 「――って!?」 思わず俺は、飛び起きた。 目覚めた場所は、夢と同じ場所だった。俺は真っ白なベッドで寝ていて、すぐ隣には夏月が、寝ながらこちらを見ていた。 「おはよう、泡沫君。まぁ、おはようと言うには、少し早い時間だけれど」 「あ、ああ……おはよう」 部屋にある古時計を見ると、時刻は三時。 なんだこの状況。 いや、不味い要素は一切無い。 同級生の美少女転校生と、同じベッドの上だなんて、美味しいに決まっている。 やっぱり、俺は馬鹿だ。 「どうだった?」 「あ? 何がだ……よ」 夏月を直視出来ない。 先程まで見ていた夢が、あまりにもリアル過ぎて。 一、健康男児として。 一、日本男児として。 「私の中。気持ち良かった?」 「何言ってんだお前!?」 いや、突っ込むところを間違えた。 「あら、現実世界でも……突っ込まれちゃった」 「いやホント何言ってんだお前!?」 冗談はさておき。のような咳払いをした夏月。
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