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野手陣ではこれまでにない程の充実を見せている。
昨シーズン活躍したメンバーを中心に役者は揃った。
中でも注目なのがセンターラインだ。
センターにはコンバートした――といっても元々内外野に関係なく守れる――佐々塚。
セカンドには守備に定評のある有栖。
そしてショートには、球界唯一の左投げの金城が守る予定となっていた。
左投げの金城がショートを守ることについて井原は、
「左投げだけど一番上手いし、問題ないっしょ」
と笑っていた。
自身が型破りの左投げの捕手だっただけに、その辺りは寛容だ。
実際、昨シーズンにショートを守った佐々塚よりも的確で上手かった。
何より、体の使い方が上手い。絶対不利なはずの左投げであることを忘れてしまうような動きだ。
加えて二遊間を組む有栖との阿吽の呼吸は抜群だ。
若手の活躍――打撃力が目立った昨シーズンとはまた違う野手陣。
井原の頭の中には、新しい東北フェニックスの姿が完成しつつあった。
残る心配事は一つだけだ。
WBC参加メンバーの消耗具合である。
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