あたしの朝

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ベッドに身を投げ出したあたしはぼんやりと天井を見つめて、小さく溜め息をついた。 月に一度回ってくる、 この休みが、 あたしは大嫌いだった。 時間に足が生えているなら、こんな夜は駆け足で過ぎていけばいい。 何もせず、 ただこうしていると いろんな感情があたしの胸を刺す。 それが淋しさなのかも 苦しさなのかも こんな運命への絶望なのかもあたしは分からない。 ただ一つ分かるのは、 あたしは誰からも求められてないってこと。 あたしが居なくなったら悲しんでくれる人はいるのかな… そんなことを考えながら ベッドの横に置いてあるマジック道具の山から トランプを一つ取り出すと、 昔クラスメイトとした、 ババ抜きを思い出した。 少しキザな言い方かもしれないけど、 不幸なんてのはババ抜きに似てる。 ジョーカーが回ってくるのになんて理由はない。 ただ、ちょっと運が悪かっただけ。 そう考えると あたしは最悪のジョーカーを引いてしまったのかもしれない。 ちょっと運がなかっただけで。 窓の外には灰色の夜空。 今日は星もあまり出ていない。 少し色のくすんだカーテンを乱暴に引っ張ると、 あたしはゆっくりと流れる夜に溶けていった。
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