序章

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ザシュ ザシュ ザシュ ザシュ 斬撃 斬撃 斬撃 斬撃 周りに群がる魔物を斬り伏せる。 既に何匹を討伐したか・・・ 聞き及んでいたよりかなり数が多い。 (割りに合わないな...) 群がる【魔物】の一体に、視線も合わせず斬り伏せながら、ぼんやりとそんなことを思う。 そして、依頼してきた地方領主の、脂ぎった顔を思い出す。 (見くびられたか...) 流れ者の傭兵崩れに対する扱いは良くはない。 それにしても。 たかが【ランクEの魔物】とはいえ、数が揃うと欝陶しい。 背後から襲ってきた一体を躱しながら、縦に切り裂く。 魔物に囲まれ、縦横無尽に戦う男。 まだ青年の域を越えておらず、ともすれば【魔法学区生】にも見える。 しかし、その技量は並の戦士とは比べものにならない。 更に驚くべきは、その戦い方だ。
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