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颯太『…なぁなぁ、お前クラスの女子で誰が一番可愛いと思う?』
三人部屋で夜中に寝ないで話していた時、修学旅行に行けば必ずと言って良いほどに出る話題。
正直苦手だ。
隼人『はぁ…』
思わず溜め息をを漏らす、何度聞かれても俺には好きな人がいるし
もちろん女子なんて程度の低いもんじゃないし。
実は隣にいる河津 翔平が好きなのだが…これは誰にも秘密で。つか言ったら確実に明日からのあだ名は変態に決まりだ
仕方ないから一番有り得なさそうな女子の名前を出してみる。
人気のありそうな女子の名前を出したところで余計に話に花が咲いても困る。
隼人『強いて言えば赤坂由衣とかじゃん?控え目だし、おっとりしてるし』
適当に交わそうと思った、しかし二人の視線がやけに痛い。
まさか…墓穴掘った?俺。
颯太『それ…マジで言ってんの?』
驚きを隠しもしないで早川颯太は言った。何か赤坂にあるのか?疑問ばかり湧く
隼人『…はぁ?何で?お前意味深に聞くの止めろよな』
適当に出したのに、ヤキモキなんてしたくもない。
なかばイラついた表情で言うと颯太は焦ったように両手を前に出して首を横に振る
颯太『いやごめん。実はさ、女子達の噂の中で赤坂がお前の事好きって言ってるらしくてさ?』
実に晴れやかな表情をしている、だからなんだと言いたいくらいだ。
口を開けばまた嫌なことを言いそうだから、あえて黙っていたら肩をポンと軽く叩かれた。
肩を叩いたのは翔平で、俺は素直に驚いた。
彼自身は真顔でこちらを見ていた、何故今肩を叩きこちらを見ているのか全く読めない。
そう言うやつだけど…
翔平『隼人、告白しとけば?こう言う行事に告ると実りやすいって話だし』
……みんなして俺を追い込むんだ。
翔平にだけは、そんなこと言われたくなかったよ。
隼人『分かったよ、告りゃ良いんだろ。明日の夜にでもしてやるよ、上手く行ったらなんかおごれよな。』
自棄っぱちで言って寝ることにした。
* * * * * * *
次の日も三人で古い寺院などを巡り歩く、その間颯太はウザいくらい今夜の告白について聞いてくる。正直何度殴ろうかと思ったことか。
翔平に関してはアレ以来何も言わないし、まぁ元からっちゃ元からだけど…。
ホントに赤坂と上手く行けば良いって思ってんのか…?…翔平…
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