すれ違い

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. 無意識に部屋から出ようと足が勝手にドアへと向いて、駆け出した途端に腕を掴まれた。 反動で倒れそうになると上体を抱えられる、でも俺は思考がまとまらず半ば泣きそうになっていて。涙までは流さなかったけど、絶対情けない顔をしていたに違いない。 翔平『……そんなに…か。』 ポツリと言葉を落とす翔平、俺は翔平の言葉の意味が分からなかった。 だから翔平の顔を見る、すると心底がっかりしたような表情をしていて俺は言葉が出ない。 翔平『ばいばい、隼人』 そっと俺の身体を離すと微かに耳に届く位の声で言うと、颯太のように返事も聞かず出て行く。 唯一の違いは明らかに翔平は雰囲気がおかしかった、引き留めて理由を聞けば良かったのにそのまま背中を見送ることで精一杯だった。 隼人『どうせまた後で会えるし、つか…完璧遅刻だな。』 携帯を拾い上げると既に集合時間から10分も過ぎていて、溜め息混じりに笑うと部屋からゆっくりと出て行き .
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