別れの始まり

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「なぜ私をおいてゆく」 暗闇の中で女が叫ぶ。 なぜ自分は息を荒げて 逃げているのだろう。 光が見えない闇の中で だたひたすら女から逃げていた。 「あなたがそんなに私から逃げたいのであれば……」 後方から何かが来る。 首に触れる冷たい感触。 気持ちが悪い。 背筋がぞっとしてきた。 イヤだ 怖い こわい コワイ 突然、一粒の光が見えた 「(やった!出れるぞ!)」 動かない体に鞭を打ち、がむしゃらに走った。 「待て!」 一刻も早くここから出たい。 気付けば光の世界についていた。 外の空気に身を投げ出し安堵の息をつき。 通ってきた所を岩で塞いでやった。 「あなたが、このような仕打ちをするのなら…」 岩の向こうから聞こえる 女の恨みのこもった声が 「私は あなたの国の人間を1日に1000人殺す。」 すかさず私は言い返した 「ならば私は 1日に1500人の人間が産まれるようにしよう」 そして この日を境に 1000人の人間が死にゆき 1500人の人間が産まれるようになった
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