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「な~にを覗き見してんだよ!!」
大声で声をかけられた。俺は全身がビクッとした。
「…英雄!てめぇ、うっせーんだよ!!気づかれるだろうが!」
俺は見ていた人を見る。幸い気づいていないみたいだ。
「んで、何見てんだよ」
「何って告白を…」
「何!?どこで!?ってかお前そんな事をするような人じゃ…」
俺が言いたい事を遮って食いついた。
「いや、告白を見てる人を見てるんだ。邪魔すんな!」
今日は先輩方の卒業式。となるとやはり告白する人も沢山いる訳で…。俺は陸上部の亮輔さんがクラスメイトに告白されているのを見ている、同じ陸上部の凛子さんを見ていた。
凛子さんは明るくて優しくて頭が良くていい人だ。そんな凛子さんに俺は片想い中だ。しかし、凛子さんは亮輔さんが好きだからお互い一方通行な恋をしている。
「おい、コクったみたいだぞ!」
「えっ!?」
告白現場を見ると2人は照れながら笑い合っていた。そして告白現場の手前にいた凛子さんの姿が見えない。
「凛子さん!」
俺はその場を立って凛子さんを探しに行った。
「あ、おい!勇輝!!」
しかし、探しても凛子さんはいなかった。
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