第一画 転校!? マジで!?

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 それから数十分後。  二人は甲板にいた。  青い空に白い雲がモクモクと浮かび、透き通るような海は水平線を綺麗に描いている。  カモメは先ほどからこの船を見守るかのようについて来る。  そして前方に何か建物のような物が孤島にそびえ立っているのが確認できた。 「なぁ隼兎……」 「ん?」 「あそこならつまんねぇ日常も楽しくなんのかな?」 「どうなんだろうな。まあでも漢字が現実になるっていうのは正直今でも信じられないがな」  この二人、先ほどからテンションが上がり気味である。  と、後ろからカツカツという音が聞こえてきた。 「そろそろ着くわよ」  そこには檜原先生がポニーテールの髪をなびかせて、立っていた。  カモメは一声鳴き声を上げると、どこかへ飛んでいってしまった。  降り注ぐ光に照らされ、夏の暖かい風が頬をすり抜けていく。 「さあ、着いたわよ」  とうとう岸に着いた。  そこはまるでジャングルで向こう側が全く見えない。  だが、そのジャングルの中を石畳の道がどこかに向かって続いていた。  たぶん学校へと続く道なのだろう。 「よっと」  准と隼兎は甲板から飛び降りた。  高さは三メートル程だが、下は砂浜ということもあり、怪我はしない。  砂浜には貝殻やら藻が流れ着いている。 「解除」  檜原先生は船に向かってそう言うと、船はフッと消えてしまった。  そしてこちらを振り返り、 「行きましょうか?」  と、石畳の道を歩き始めた。  この石畳の道はずっとジャングルの中を通っている為、あちこちから色々な声が聞こえてくる。  蝉の声、不気味な感じを醸し出す鳥の声、そして── 「あぁああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 「…………」 (何も聞こえないぞ。決して¨ター○ン¨なんか思い浮かべてないからな!!)  数分石畳の道を歩いていると、巨大な黒い門が行く手を阻んだ。
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