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檜原先生はカードキーのような物を門に翳すと、門は重く鈍い音をたてて開いた。
その先には学校と思われる建物が待ち受けていた。
「これがあなた達の新しい学校よ。どう? 素敵な所でしょ?」
一見、普通の高校と構造は何ら変わりない。
正面に入口があり、三階建ての校舎がある。
たぶんその奥側にも違う校舎があって教室やら何やらがあるのだろう。
檜原先生は門をくぐり抜けて先々と歩いていく。
「あなた達はこれからこの島で暮らすのよ」
「えっ!?」
驚きの声を上げる二人に檜原先生は前を向いたまま、
「すぐ慣れるから大丈夫よ」
とあっさりといいのける。
玄関を過ぎ、脇に設置してある階段をのぼる。
そして三階に着くと、一番手前、つまり階段をのぼるとすぐ近くにある教室の前で止まった。
「私はここの教師なの」
(先生。ドッキリなら早めに教えてくださいよ。¨実はドッキリでしたぁ!!¨みたいな。)
そんな二人の心の声とは裏腹に、檜原先生はドッキリのような素振りや身振りを微塵も見せずに、教室のドアをガラガラと開いた。
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