第一画 転校!? マジで!?

14/30
前へ
/68ページ
次へ
 このクラスの編成はザッと数えると三十四人。  机は縦六列、横六列に並んでいる。 「じゃあ二人の席は……」 「先生、ここが空いてますよ」  一人の女子が手を上げ、先生に教える。  空いている席は教卓から見て、左から二列目の一番後ろ。  発言した女子は長髪で腰の辺りまである髪を結びもせずに伸ばしている。  その黒髪はサラサラでとても美しい。  いや、髪だけではない。  全てが美しいのだ。 (可愛い……。 さぁ、九回裏!! 十対七で准ジュンズが負けております!! だがここで満塁!! バッターは夜川 准!! ピッチャー第一球、投げた!! ストラァァァァァイク!! おっとストライクだぁぁぁぁぁっ!! うん。これが一目惚れっていうんだろうね。)  高まる鼓動。羽ばたいていく気持ち。 「ん?」  隼兎が何気なく隣を見ると、准の様子がいつもとは違うことに気がついた。 (ははぁん……。さては……。)  隼兎は一人、心の中で納得すると、バシッと准の背中を叩いた。 「痛っ!!」 (ったく、何なんだ……って、何だその顔は!? 何でニヤニヤしてんだ、お前は!!)  隼兎を見ると、隼兎が親指であの席をクイクイと示している。 「さぁ、どっちが行くの?」 「あっ、准が行きます」 (持つべき物はやはり友だな!! ありがとう、隼トゥー!!)  准は意気揚々としながら席へと歩いて行った。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加