第一画 転校!? マジで!?

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「あとは陽野君だけね。えっと……」 「先生。ここも空いてるわよ」  また一人の女子が手をヒラヒラとさせている。  そこは同じように教卓から見ると、一番右の列の最後尾に当たる場所。  この女子は、頭のてっぺんらへんでミルク色の髪を、赤いリボンのような物で結んでいる。 「じゃあ陽野君はあそこね」 「了解ー」  隼兎は軽い足取りで自分の席へと向かった。  ガタンとイスを引き、座る。 (ふぅ……一応挨拶でもしとくか。)  隼兎は隣に座っている、先ほど手をヒラヒラしていた女子に話し掛ける。 「なぁなぁ」 「何よ?」  ギロッと睨みつけられた。 「いや別に何もないんだが、まぁ挨拶はした方がいいかなぁって」 「あっそ」 (うっ……関わりにくいな……。)  この女子は机に肘をつき、顔を手のひらの上に乗せている。 「あっ、そういえば名前聞いてなかったな。名前教えてくれよ」 「嫌よ」 (即答っすか……。) 「何で?」 「べっつに~」 (気分の問題ですか。まぁ別にいいけどよ。) 「まぁ隣同士、よろしくな」 「はいはい」 (何だかなぁ……。ペースを持っていかれるんだよなぁ、こういうタイプ。) 「あっ、そうだ。一つ聞いていいか?」 「何?」  隼兎は先ほど教卓の前に立って、違和感を覚えた事柄について聞いてみた。 「何で……このクラスは男子がいないんだ?」  そう、教卓の前に立った時に覚えた違和感。  それは男子の姿がどこにも見当たらないことだった。
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