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「なぁに焦ってんだ?」
「べ……べべべべ別に!? あああ焦ってなんかないわよ!?」
隼兎は首を傾げながらもミズキを見る。
だがミズキは机に顔を伏せており、ミルク色の髪と赤いリボンしか見えない。
(わけがわからん……。)
隼兎はミズキをそっとしておくことに決め、窓の外に広がるジャングル的な森やその向こうに広がる海を眺めておくことにした。
さて、席の列を右へ四列スライドさせると、准の姿を映す。
「俺、夜川 准って言うんだ。よろしく!!」
准は右隣に座っている女子に声を掛けていた。
その女子はクスッと笑うと、
「私の名前は宮野 凛(みやの りん)っていうの。よろしくね、夜川君」
(はうあっ!! 天使降臨!! ピーピーピーピー!! こちら夜川 准!! 女神様と出会ったんですがどうすればいいでしょうか!?
うむ、そうか!? そこは慎重に距離を取りつつもだな──
女神様ぁぁぁぁぁっ!!
人の話を聞けぇぇぇぇぇっ!!)
と、まぁ准の中では色々な会話が飛び交っていた。
¨冷静¨が勝つか、¨欲¨が勝つか……。
「夜川君?」
「はい、何でございましょう、女神様!!」
ミズキ達の次に注目の的になった准。だが准は周りの目など気にしていない。
というか自分の世界に入っているようだ。
「ちょっと夜川君……女神様だなんて……」
少しもじもじとする凛。
ようやく我に返った准はハッと気がつき、
「あっ、ごめん、俺の中で戦争が始まっちゃってて……」
何ともまぁ意味不明な発言。
だが凛はそんな慌てふためいている准を見てクスッと笑った。
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