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有頂天になっている准を檜原先生は呆れた目で見ながら、
「夜川君、一応今は授業中なんだけどなぁ……」
「ごめんなさい……」
自重した准。
そして檜原先生の話が始まる。
「いいですか? 漢字というものには一字一字に意味があります。そしてそれを具現化して闘うのが私達、漢字を駆使して闘う者、つまり¨漢闘者¨と言います」
(ちょっと待て!! 何だそれ!? 漢字で闘うだと!? そんな非常識なことが出来んのか!?)
准は目を見開き、檜原先生の一言一言を受け止める。
だが受け止めれば受け止める程信じられなくなったので、凛に聞いてみる。
「あの……宮野さん?」
「何?」
「えっと、漢字で闘うって……どういうこと?」
凛は「えっ!?」と一声あげると、
「先生から聞いてないの?」
(うん、僕何も聞いてないんだ。いつも通り学校に行ったらあの人の陰謀で転校ってことになってたんだ。もうワケワカメだよね。)
「何も聞いてません」
「もう……先生ってばぁ……」
プクッと頬を膨らます凛。
そしてそんな凛を見てにやけ顔になる准。
だが凛は気がついてない様子で准に教える。
「えっと、この学校はね。特殊なペンで空中に漢字を書くとその漢字が具現化するの」
「ふむふむ」
(ごめん、僕の頭脳じゃ理解出来ないよ。)
「それでね、日本中の学校と試合をするの」
(うん。もっと意味が分からなくなっちゃった。)
「ちょっと難しいかな? とにかく先生が説明すると思うから、ちゃんと聞いてれば大丈夫だよ」
「へぇ……ありがと」
「どういたしまして」
笑顔で准に言う。
(神様!! この荒れた世界に一輪の花が咲いてます!!)
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