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「五十校もあるんですか?」
手のひらからズルリと顔が滑り落ちる。
「そうよ。あっ、でも大丈夫よ。どこの学校も弱いから」
(いや、そういう問題じゃなくてだな……。ってか闘うってこの学校──)
「先生。ここの学校って女子ばっかですけど、危なくないですか?」
隼兎は素朴な質問を檜原先生に投げかける。
「あぁ、それは大丈夫よ。¨漢闘者¨は努力と器の大きさが認められれば誰でも闘うことが出来るの。そして色々な学校に潜入して、認められた生徒をスカウトするのが私達教師の役目なの」
(いやいや、あんたの場合スカウトっていうより拉致だよ、拉致。わかってる? 犯罪だよ?)
と、ここで授業の終わりを告げるチャイムが教室に鳴り響いた。
「はい、じゃあ今日はここまで」
檜原先生はそう言い残すと教室を出て行った。
それに続くように他の生徒も出て行く。
「ふぁぁぁぁぁ……」
隼兎はイスに座ったまま大きいあくびと共に両手をうんと上げる。
教室に残ったのは四人。
准に隼兎、凛にミズキだ。
「お前、いつまでそうしているつもりなんだ?」
隼兎は目をこすりながら隣で顔を伏せているミズキに話しかける。
「恥かいた……」
顔を埋めたまま呟く。
隼兎は溜め息を一つ吐くと、
「別に恥ってもんじゃねぇだろ。気にすんなって」
「うぅぅぅ……」
「隼兎~!! ちょっと校内探検しようぜ~!!」
(……お前はガキか。)
そう思いながらも隼兎はイスを立ち、准の席へと向かった。
近くには一人の美少女がいる。
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