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隼兎は准の席に到着するなり隣にいる女子に話しかけた。
「やっ、俺は准のご主人様で陽野 隼兎って言うんだ。よろしく」
「誰がお前なんかの下で働くか!!」
二人のやり取りをクスッと微笑みながら見て、
「私は宮野 凛。よろしくね」
(なるほどな……どおりで准が……。)
と考えながらも隼兎も微笑みかえし、挨拶を交わす。
「あぁ、よろしく」
「あっ、そうだ!!」
凛は急に一回手を叩き、
「この学校来たばかりなんでしょ?」
「そうだけど……?」
准がそういうと間を置かずに、
「じゃあ私達が案内してあげる!!」
「ありが──」
(って……私¨達¨?)
「いいでしょ、ミズキ?」
「えぇぇぇ……」
(こっちがえぇぇぇ、だよ!! 何!? 君達友達だったの!? うん、まぁ同じクラスだから友達じゃないっていう方がおかしいけどさ。)
隼兎、唖然。
だが准は隼兎の態度とは違い、ニコニコ顔で、
「宮野さんの友達?」
と、尋ねる。
凛は満面の笑みで頷くと、
「うん、紹介するね。ちょっとミズキ!!」
「何よ?」
ミズキは不機嫌そうに顔を上げ、横に向ける。
「こっちに来て!!」
ミズキはミルク色の髪をなびかせ、ゆっくりと立ち上がり、准達が集まっている輪の中に入った。
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