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「この子の名前は空橋 ミズキ。ほらミズキ!! 挨拶は!?」
「な、なんで私が挨拶なんかしなきゃいけないのよ!?」
無駄に大きい声で叫ぶ。
だがそんなミズキとは正反対の凛は、ミズキの態度など無視し、皆を急かす。
「じゃあ行こっか!!」
まるで無邪気な子供のようにはしゃいでいる。
そして一行は研究室やらグランドやらを回り、全ての校舎を回った。
「広いなぁ、この学校」
四人は今、グランドの端にある木陰に座っていた。
グランドではサッカーや野球、それにテニスやバレーボールなどをあちこちでやっている。
授業が終わりさえすれば、いつでも自由らしい。
「あっ、そうだ!!」
凛が急に声を上げた。
残りの三人はビクッとしながら凛を見た。
「そういえばまだ体育館に行ってなかったよね」
グランドの向こう側にそびえ立つ巨大なドームのような建物。
おそらくあれが体育館なのだろう。
四人はスポーツをしている人達の邪魔にならないように端を通り、体育館へと足を運ぶ。
¨体育館と言えばスポーツをする場所だ。¨
そう准と隼兎は思っていた為、またスポーツをやっているのだろうと思った。
だがそれは大きな間違いということを知る。
体育館の中に入ると、まず目に入ったのが体育館が十字を描くように四つに区切られていること。
次にその四つのコート的な場所で数人の生徒が漢字を具現化して闘っていた。
「¨波¨発動!!」
そう言うと、大きな波が現れ、相手に覆い被さるように襲いかかった。
「¨盾¨発動!!」
対する相手も空中に漢字を書き、それに手をかざす。
すると¨盾¨という漢字は渦巻き、大きな鋼の盾と化し、主の漢闘者の前に立ちふさがり、波から守る。
「すげぇ!!」
思わず声を上げる准。
「すごいでしょ? 夜川君と陽野君もこれからはああいう風に闘うんだよ」
満面な笑みを浮かべる凛。
(神様!! この子お持ち帰りしていいでs──……いかんいかん。危うく危ない人になるとこだった……自重せねば。)
だが准の顔はにやけついたまま治らない。
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