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このゆるい坂を登りきったあと、見えてくるのが二人の通っている高校である。
校門前には何人かの先生が立ち、生徒は自然にそちらに向かって軽く挨拶をする。
准と隼兎もしかり。
「檜原先生ー、おはでーす」
准は軽く手を上げ、校門の前に立っている女性教師に挨拶をする。
「あら、夜川君、陽野君、おはよう」
この女性教師の名前は檜原(ひのはら)と言って、准と隼兎の担任教師である。
檜原先生はポニーテールを揺らし、ニコリと微笑みを浮かべる。
もうすぐ夏休みということもあり、だらける服装になりがちな生徒達の格好をくまなくチェックするのが、ここに立っている先生の役目。
「うん、二人共乱れてないようね」
「先生、この俺が変な格好なんてするわけ──」
「お前昨日そういえば──もがっ!?」
「この口かッ!! この口がデタラメを言っているのか!?」
准の必死な行動に檜原先生は思わず笑ってしまった。![image=275781484.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/275781484.jpg?width=800&format=jpg)
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