第一画 転校!? マジで!?

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 部屋の中に入るとまず目に入ったのが辺り一面の白い壁。  そしてその中心にある丸くて白いテーブル。  そして白い背もたれのあるイスも二つある。  ドアを開けたすぐ左には風呂場と洗面所、それにトイレがある。  そして少し進むとベッドが二つ用意してあった。  窓が開いているのか、シルクのカーテンがなびいている。 「豪華過ぎるだろ!?」  この光景に准は思わず驚きの声を上げる。  どこぞの一流ホテル並みだ。 「ホントに凄いな……」  隼兎はそう呟きながらカーテンに近付く。  そしてカーテンを開くとそこには海の風景が── 「うん、ない」  あるのは校舎だけ。  残念ながら海が見えるのは凛とミズキの部屋側の方らしい。  隼兎は小さなため息を一つつき、 「疲れた」  と、今日という一日に最も相応しい言葉を口にしてベッドに座る。  ベッドはとても柔らかく、弾力性がある。  だが隼兎はそんなことは気にせず、座っていた状態からそのまま後ろに倒れた。  准は准で風呂場を覗いていた。  トイレと兼用で風呂場とは防水カーテン一つで遮られている。 「ふむふむ、なかなかいいホテルではないか」  言っておくがここは寮である。  お忘れのないように。 「何やってんだ、あいつは……」  隼兎は寝た状態のまま顔だけを向け、准の方を見る。  すでに太陽は水平線の彼方へ沈もうとしている為、真っ赤な夕日が部屋に綺麗な光を差し込んでくれる。  だがやはり夏なだけに蝉の鳴き声は絶えず止まない。 「はぁ……」  隼兎は天井を見ながら、もう一度ため息を吐く。  だがこれは先ほどのように疲れた、という意味ではなく、感傷に浸っているのだ。  蝉の鳴き声は人をいつも悲しい気持ちにさせる。  なぜこうも悲しい気持ちになるのかは……分からない。  とにかくこれで一日目は無事、終了した。
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