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「まあ何があったかは聞かないでおきましょう。それはそうと、今日は重大な伝達があるから早く席についていてね」
優しい微笑みを浮かべると、檜原先生は再び登校中の生徒の服装をチェックし始めた。
准と隼兎はその場にずっと立っているわけにもいかず、自分達の教室へと足を運んだ。
男子や女子が誰か一つの机を囲むようにして話したりしている。
「冷房がついてるっていいよなぁ……」
「怠けすぎだろ……」
准はイスに座るなり、冷たい机へと顔を付ける。
ちなみに准と隼兎の名字はそれぞれ夜川と陽野、つまり出席番号順に並んでいる為、隼兎の後ろの席が准となる。
隼兎はやれやれ、と小さなため息をつき、窓の外を見た。
空は青く、入道雲が大きな存在感を持って空に浮かんでいる。
「夏、か……」
隼兎の口からこぼれるように出た言葉であった。
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