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少しの間ボーっとしているとお馴染みのチャイムが鳴り響いた。
同時に、先ほど会った檜原先生が入ってきた。
「はい、みんな席についてちょうだーい」
ガヤガヤとしながら席に座る生徒達。
そういえば、と准と隼兎は思った。
今朝、大事な伝達があると言っていたが、はたして何なのだろうか。
「急な話ですが、実は重要な話があります」
准は思わず顔をあげ、隼兎も机に肘をついたまま檜原先生を見た。
「実は……」
檜原先生は溜めるように顔を俯かせる。
数秒の沈黙。
「夜川君と陽野君が転校します」
そう言った途端、教室の生徒全員がこちらを向いた。
「えっ……えぇぇぇええッ!?」
准は暑さも忘れて席を立ち上がり、隼兎は手のひらから顔がズルリと落ちた。
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