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たったったったっ・・・
「やばぁいっ! 遅刻しちゃうっ!」
地毛の茶色がかった長めの髪をなびかせて、女の子は校門をくぐる。
「入学式早々から遅刻ですか、一宮さん。」
「っ!!・・・音宮先生っ!」
一宮と呼ばれた女の子の名は、一宮一葉。
彼女の父は、一宮財閥の社長である。
「体育館、こっちの門からじゃ遠いですよ?」
音宮先生こと音宮李生は不敵な笑みを浮かべてそう言った。
彼の言葉を聞いた一葉はサーッと顔を青くして、目に涙を浮かべて李生を見つめた。
そんな一葉を見て、李生は呟いた。
「まぁ・・・、裏道があるにはあるんですけど・・・。」
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