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『警部!!』
『お父さん!!!!』
先輩が警部の口に手を突っ込んで飲んだ物を吐き出させる。
僕はたまたま近くにいた救急隊に声を掛け、すぐ病院に警部は運ばれた。
その後付き添っていた刑事から電話連絡があり警部は命に別状はないとの事。対応が早かったのと毒物がごく少量だったのが幸いしたそうだ。
『なんということだ!明らかに僕とお父さんを狙っている人間がいるということか・・・』
見ると先輩はさっきまでと違い必死に考えているようである。
僕も考えた。
僕の考えでは先輩にというより警部に恨みを持つ人間の仕業ではないかという気がしてきていた。それで親子である二人を・・・。
『今回は鑑識の報告によると紅茶に毒物が入っていた模様です。
あの時、紅茶を持ってきたのは新田と中川。入れるチャンスがあったのはあの二人ですよ。いったいどっちなんでしょう?』
『確かにそうだ。だが今回はひとつ気になることがある。あの時、テーブルに置かれた紅茶は明らかに全員適当に取ったはずなんだ。なのにどうやって犯人はお父さんに毒入り紅茶を飲ますことができたんだろう?
お父さんがどれを手にするか予測する方法があるということか・・・』
と先輩は頭を抱えている。
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