87人が本棚に入れています
本棚に追加
/151ページ
皆が集まる中、先輩が口を開いた。
『今回の服毒事件の犯人が分かりました。それでお集まり頂いたのです。』
『犯人が分かった?一体?』
田中が先輩に問いかける。
『順番に説明しましょう。
まず、今回警部殿が毒入り紅茶を飲まされた事件。これが犯人指摘のきっかけとなりました。
そもそも今回の紅茶に毒を入れる機会があった人間は二人だけです。当然この二人のどちらかが犯人となります。
が、ひとつ問題があります。
あの時無造作に置かれた紅茶からどうやって警部に毒入り紅茶を飲ませるか?ということです。』
『そうですよ、先輩。どちらが犯人か分かりませんが、
..........................
意図的に毒入り紅茶を選ばすことはどちらにも出来なかったはずです。
何か方法があるのですか?』
『方法?いやそんなものはないよ。』
『じゃあ、どうやって犯人を指摘するんですか?方法も分からないのに。』
....................
『誰でもよかったんだよ。
犯人にとっては誰が毒入り紅茶を飲んでもよかったのさ。』
『誰でもよかった??』
『そう。自分さえどれに毒入りが入っているか分かっていれば誰が取ろうと良かったんだ。今回の紅茶事件は殺害するのが目的ではないからね。
..............
伏線だったのさ。
................
僕が狙われているというのを強調する為のね。
それともうひとつ。
...................
犯行の動機を隠す為。』
最初のコメントを投稿しよう!