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先輩はもう一度小窓を覗いた。
『どうしました?』
僕は聞いた。明らかに先輩が取り乱しているからだ。僕が思うにこれは単なる自殺ではないかと思う。どうやっても外から施錠することが出来ないのだし、この小窓を使っても出入りは絶対に出来ない。
結論はすでに出ているのに。
だが先輩はゆっくりとこちらを向いてまた驚くべきことを口にする。
『木津谷くん、僕にはこれが自殺だとは思えない・・・』
『!!!。
どうしてですか?』
『よく見たまえ!致命傷が首にあるが、自殺にしては変だろう?
........................
ためらい傷がまったくない。それに目を見開いているのも納得出来ない。
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あんなに驚いた表情になるものかな?
............
それに何故被害者は全裸なんだ?これから自殺しようという人間が服を脱ぐ理由が思いつかない。
...................
僕は他殺だと思うよ。』
『でも先輩、他殺なら犯人はどこから出入りしたんですか?』
当然の質問だと思う。
『分からない。こんなことが起こりえるだろうか・・・
木津谷くん、これは・・・
..............
不可能犯罪だよ・・・』
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