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廊下を先輩と歩きながら考える。どうやら先輩も考え込んでいるようだ。時々誰に話すことなく喋っている。
『そんなばかな・・・どう考えてもあの密室の謎が解けない・・・』
そうこうしているうちに警部が部下をつれてやってきた。
『どうした?今回はえらく元気がないじゃないか?』
と先輩を冷やかす。
事情を警部に説明すると早速その倉庫を見に行こうということになった。
例の小窓から警部が覗く。
『確かに・・・自殺にしちゃ不自然だな。だが、ドアが施錠されていて開かない。おまけに室内からしか施錠出来ないんだろ?』
僕と先輩は肯定の意味で頷く。
『来る前に分かったことだが外部犯の犯行とは考えにくい。なぜならお前達も通っただろ?橋を。
ここへ来るにはあの橋を必ず渡らないとこれない。そしてあの橋の向かいにあるコンビニで一晩中、花火をやっていた若者連中がいてな。俺がくるまで誰一人、橋を渡った人間も、渡ってきた人間もいないと証言してくれた。』
そういいながら今度は問題のドアに向う。
『これがそのドアか・・・』
そういって警部がドアに手を掛けた瞬間。
奇跡というのか、悪夢というのか・・・
............
ドアが開いた・・・
『ど、どういうことだ!おい!ドアが開いたぞ!!』
僕と先輩は驚きで警部の言葉に返答できない。
『そ、そんな!警部、確かに先輩と確かめた時、施錠されていたんです!女将さんも見てますよ!』
急いで女将さんにも確認するが確かにそうだったという返答が返ってきた。
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