4つの殺意

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『なるほど。他に情報は?』 『はい。青酸カリの出所は分かっています。会社の研究室に置いてあり、室内に入ることのできるのは容疑者4人だけです。当然劇薬ですのでセキュリティーは厳重です。 それに4人ともそこから青酸         ........ カリのカプセルを2つずつ取り出したと自供しています。ただ気になるのはそこの研究員が最後に確認した際、ビンの中には青酸カリが .......... 9粒あったと証言しています。    .................... つまり誰かが嘘をついており ........................ 3粒持っていた人間がいることになります。    .................. そして全員が一粒ずつ混入したと自供しているのです。』 『なんだって!?じゃあ簡単じゃないか。今持っている青酸カリのカプセルの数を数えれば犯人が分かるんじゃないのかい?』 『当初僕達もそう思い、確認しました。が、全員所持していたカプセルの数は ........ 1つずつだったんです。』 『なるほど。嘘をついている人間がいるということだね。で、その殺害動機というのは?』 『まず、三井ですが友人として彼も会社を経営しています。ただ不況の影響でかなり経営状態が悪く、金の融資を被害者に頼んだそうです。が、見事に切って捨てられ、おまけに散々な悪口を言われたといっています。そのせいで会社は傾き、もう倒産寸前です。 妻の亜紀は、被害者の暴力に悩まされておりかなり精神的に参っていた状態です。 秘書の楠田は、どうやら弱みを握られ体の関係を求められていたようです。悪質な事にそれをビデオで撮影されているようで、脅迫まがいのことをされていました。 専務の西島は、リストラ候補に挙がっていたそうです。今回のプレゼン次第ではクビだと宣告されていたようで、被害者の機嫌を取るために犬の真似まで社員の前でさせられていたようです。 以上が全員の殺害動機です。』
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