4つの殺意-謎解き編-

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『事件解決ってどういうことですか?先輩?』 『犯人が分かったってことか?』 僕と警部が口走る。 『ええ。今回は論理的に考えればさほど難しいケースではありませんでしたね。特殊ではありますが。』 『先輩、説明して下さい。』 『分かったよ、じゃあ部屋へ戻ろうか?』 部屋に戻ると全員の視線が集まるのが分かった。 『今回の事件の犯人が分かりましたのでここで報告させてもらいます。』 と芝居じみたポーズで先輩は語りだした。 『今回のケースはかなり特殊なケースでした。 が、皆さんから話を聞いたとき素直に思ったことが2つあります。 まずはみなさんの内犯人すらもほとんど本当の事を話してくれているという事。 これは本当に微妙なタイミングが必要だったからです。犯人としても自然に犯行を終えなければならない、ということと、自分では殺害することが出来なかったという事実の両方を演出する必要があったからです。 それともう一つ。それは、 毒入りの飲み物で犯行は全員 ...................... 不可能であったという点です。』 『え?何を言ってるんです?先輩?』 『君こそ、何を見てきたんだい?確かに毒物は全員が仕掛けたことを自供している。そして全員失敗したからこそ毒入りの飲み物が4つ、発見されているんだよ。 つまり、毒物は違うものに仕掛けられていたという結果を導きださずにはおれないということだよ。』 『違うもの??』 『そう。飲み物以外に物語に登場した物がもうひとつあるじゃないか?』 『!!!!!!。 ピルケース・・・』 『その通り。毒入りカプセルはその中に仕組まれていたんだよ。 .................... 安定剤のふりをしてね。』
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