読者への挑戦状-オムニバス第２弾-

４つの殺意-謎解き編-

『！！！！！！！！！』

『足らないんです。ピルケースを受け取ったあなたがそのまま被害者に渡したなら、あなたと被害者、そして当然、
.......................
楠田さんと奥さんの指紋がないとおかしいんですよ！』

『あ！！！本当だ！！！』

と僕は叫んだ！

『これはどういうことか！

つまりケースの中身を入れ替えたのではなく、
....................
ケースごとすり替えたんだ！

それ以外にこの状況を説明することは出来ない！！

つまりあなたが犯人です！』

三井はしずかに椅子に腰掛けた。

『うまくいくと思ったんだがなぁ・・・』

『確かに、うまく考えられた犯行だったと思います。

が、指紋まで気を使わなかったのが失敗でしたね。

あなたの計画ではピルケースを受け取った時、すぐに被害者に渡せる予定だったんでしょう。

そして室内にいる誰かに中身を入れ替えることは不可能だったと証言してもらうつもりだった。

だが、被害者がなかなか見つからなかった。そして、中身を入れ替えることが出来る人物として僕の注意を惹くこととなってしまった。

あなたが計画を変更して、中身を入れ替える作戦にしていたらおそらく僕も分からなかったかもしれませんね。』

『神は俺に味方しなかったということだなぁ。』

『その通りです。さぁ、行きましょうか？』

先輩は僕に目配せし、被害者は静かに先輩に従った。