箱庭からの目撃者

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『被害者は夏目 千春(なつめ ちはる)20歳。死因は胸部にナイフを突き刺されての失血死。傷跡から見ておそらく即死だったと思われます。 室内は荒らされており、カバンから服から小物まで散乱している状態でした。 凶器は被害者の倒れていた横にあり、指紋はなし。傷跡と凶器の形状が一致しており被害者を殺害したものと見て問題なさそうです。 室内の施錠ですが、出入り口は入り口のドアと窓が一つだけ。どちらも施錠されておらず、窓の方は外から窓の錠の部分が割られており、室外からの侵入の跡と思われます。 被害者は生まれつき体が弱く外にはほとんどでていません。友人も少なく、小学校時代からの付き合いがある女友達が2人だけです。 一人は、結城 ましろ(ゆうき ましろ)24歳。 もう一人は、田代 真奈美(たしろ まなみ)20歳。 田代は被害者と同い年で仲がよく、結城はお姉さん的存在だったようです。 あと毎日、医師が尋ねてきており往診していたようです。 医師は、田川 彰(たがわ あきら)34歳。 近くで医院をしている医者で被害者のかかりつけの医者でした。 遺体の第一発見者は、友人の結城さんです。今日は田川さんも含めた3人で被害者の部屋で会う約束をしていたようです。少し早めについた彼女は被害者の部屋を訪ねました。いくらインターフォンを鳴らしても返事がなくおかしいなぁと思い、ドアノブを回すと施錠されていなかったようですんなりと開いたようです。』
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