87人が本棚に入れています
本棚に追加
先輩の指示通り、一室に関係者を集めた。
医師の田川さん、友人の結城さん、田代さん、そしてストーカーとして拘束されている山城さんの計4人である。
それぞれ椅子に座った関係者に先輩は口を開いた。
『では、順を追ってお話願います。まず最初に被害者に会ったのはどなたですか?』
すると田川医師が手を挙げた。
『おそらく私でしょう。
今日は朝からいつもの往診の為、夏目さんを訪ねました。普段通りで体も異常なしでした。とりとめのない話の中で今日、お友達が来るという話を聞きました。本当に楽しそうに話していたのを覚えています。
その後、私は部屋を後にしました。以上です。
あ、あと医院へと戻る途中に結城さんに会いました。軽くあいさつを交わしすぐに別れました。』
先輩はすかさず結城さんに確認する。
『ええ。確かに先生に会いました。丁度、千春の部屋に向っている途中に会いました。』
『なるほど。では、先生が部屋を出てからは確認できましたが、その前。先生が部屋の中にいたときの事を証明することはできませんか?』
『私を疑っているのですか?』
『いえいえ。消去法で考えていきたいのです。いかがですか?』
『あのぉ・・・』
と田代さんが話しだした。
最初のコメントを投稿しよう!